
電力小売り自由化のメリット・デメリット
こんにちは。ワンズ・ベスト スタッフの北爪です。
今回は、「電力小売り自由化のメリット・デメリット」について書きたいと思います。
年が明け、例年にない暖冬から始まり、「今年は大丈夫なのか?」「地球の温暖化のせいだ」というオキマリの話がテレビ新聞で少々流れましたが、ここ数日、ちゃんとした冬将軍が到来してくれたようで、嬉しくもあり、迷惑でもあります(笑)
冬の語源は、「冷ゆ(ひゆ)」なので、寒いのが当然ではありますが、電気料金という意味では、楽観視できないものでございます。
ついこの間、慣れない急な寒さに耐えかね、床暖房だけでは、足らず、エアコンの暖房のスイッチを入れ、安心しながらバラエティ番組を肴に一杯やって暖をとっていました。
そこに群馬県民のソウルフード、モツ煮のレトルトパックが目に入りました。
「やった!こいつをチンして、生姜をかけて・・・酒との相性抜群!俺、サエてる〜♪」と、早速器に空け、電子レンジへ。
スイッチオン!約20秒後、暖房から「ムシュ〜ン」という、やる気ゼロな電源オフ音がため息のように鳴ると同時に部屋が真っ暗に・・・停電です。
床暖とエアコンの暖房を同時にかけても大丈夫なのですが、その上に電子レンジを使うとブレーカーが落ちてしまうことを忘れておりました。
ま、我が家の冬の風物詩です。懐中電灯を探し、ブレーカーを上げ、再起動。
そのたびに思うのは、「どうにかならないんですか〜?東電さ〜ん!」という不満です。
かと言って、アンペア上げると、当然料金が純増してしまい、よろしくありません。
そんな矢先、ご存知だと思いますが、今年の4月1日から電力小売の全面自由化がスタートします。
このサービスが開始されると、今までは、地域ごとに東京電力、関西電力、九州電力等、電力会社が決まっていましたが、私たちは、好きな会社や料金プラン、サービス内容から電力を買うことができます。
今回は、この電力自由化のメリット・デメリットに関してお伝えしてまいります。
停電せず、安く上がるちょうど良い料金プランがないか、と考えをめぐらせていたので、ちょうど良かったです。
しかし、私同様この電力小売自由化そのものに関して「あ〜テレビとかで宣伝しているよね〜?」くらいの認識ではないでしょうか?
逆に「電力小売自由化?俺、詳しいよ!単純に安いのがいいなら、A社、料金プランが豊富なのは、B社、わかりやすく、選びやすいのは、C社がいいよ!」なんて人は、かなり少ないのではないでしょうか?
実は、その人は、電力小売り自由化開始を機に新規に参入する業者の営業担当かもしれません。
その話を鵜呑みにしてよく分からないのに「せっかく言ってくれたので、C社で」なんて答えてしまったら、後悔することはよくあります。
相手が知らないのを良いことに中には、詐欺もあることでしょう。
昨年10月から開始されたマイナンバー制度が運用開始しましたが、ニュース番組で、お年寄りをターゲットとした、マイナンバー制度がらみの詐欺事件が報道され、それを見て私は「やっぱそういう詐欺やる奴いるよな!」と思ったものです。
これからますます情報化社会が進むことは疑う余地はありません。ましてや、電力小売自由化は、7.5兆円というとんでもない市場規模です。
上手くいけば、めちゃくちゃ儲かるわけです。
こういう時代は、知っていることが当たり前で、知らないということそのものが、生きていく上でリスクとなるのではないでしょうか。
これを機会損失といい、知っていれば、得するチャンスや、知らないことによって大きな損失をしていることに気付くことすらない、となったら、こんな馬鹿馬鹿しい話はありません。電力小売自由化に限らず、これから登場する新しい制度などで詐欺に遭ったり、知らずに損をすることのないように少しでもお役に立てる情報をこれからもこのブログを通じてお伝えしてまいります。
今回のテーマは、「電力小売り自由化デメリット・デメリット」ですが、それだけを唐突にお伝えしてもピンとこない方も多いのではないでしょうか?
最終的には、自分にとってどの電力会社やサービスがいいのか?を判断できるようになることに意味があると思います。
今回は、
第1章 電力自由化の歴史
第2章 電力小売自由化のメリット・デメリット
第3章 どんな会社がおすすめか?
以上の三部構成でお伝えしてまいります。
では、参りましょう。
第1章 電力自由化の歴史
最初に、どのようにして電力小売自由化が始まったのか、その歴史を紐解いていきましょう。
今から21年前、1995年にさかのぼります。
電力自由化Ⅰ期 1995年4月、電気事業法の改正により独立発電事業者(IPP)の事業参入が可能となる。
電力自由化Ⅱ期 1999年、特定電気事業者が、大規模な工場、大きなオフィスビル、百貨店等の大規模商業施設等の特別高圧の事業所に限り自由化が始まる。
電力自由化Ⅲ期 2004年4月、今度は、中小ビルや小規模工場などの高圧の事業所への電力を供給が自由化される。
電力自由化Ⅳ期 一般家庭には、安定供給の難しさから様々なトラブルや顧客へのデメリットを懸念し、電力小売自由化は見送られていたが、2011年3月の東日本大震災の福島第一原発事故を契機に電気事業制度は大きく見直される。
2016年4月、電力小売完全自由化が始まる。
といった経緯がありました。
もう少し細かくご説明もできますが、「知っていただいて役に立つかどうか」という観点でお伝えするために、簡単にお伝えしました。
第2章 電力小売自由化のメリット・デメリット
お待たせしました。
ようやく本題です。電力小売自由化は、メリットばかりではありません。
デメリットもあり、その部分も知っていただいた上で、ご判断ください。
メリット① 「安くなる可能性あり」
今までの電気料金の仕組みは、政府の認可によって価格が決められており、我々消費者も電力会社を選ぶことができませんでした。
世界的にも日本は、電気料金が法外に高い国と批判を受けてきました。
東京電力など、民間企業とは名ばかりでほぼ国営企業でしたし、実に社会主義的でした。
しかし、電力小売自由化により、電力会社自体で価格を決めることができるため、自由料金となり、シェア拡大を図り、薄利多売を狙う戦略的価格も設定することとなるわけです。
電力会社の乗り換えも当たり前になります。使用量、時間帯、季節等、細かなサービス形態の電気料金プランが増え、さらにポイント制、割引プラン等バラエティに富んだサービスから選ぶこともできます。
低料金プランはもちろん、他のインフラ、固定電話、ガス、携帯電話、インターネット等とセットでの割引のプランも出てきます。
ですので、料金が安くなる可能性があります。
メリット② 「単純に料金が安くなるだけじゃない、電気そのものの選択肢が増える!」
電力小売自由化により、様々な事業者が参入してきます。
電力の週類も選べます。
現状は電力自体も火力による供給が主ですが、水力、風力、太陽光、地熱発電などを主に供給している事業者からも電力を購入できます。
また、野菜や肉、魚などの生鮮食材ではありませんが、近くの電気事業者から購入できますので、電力の“地産地消”も可能となります。
デメリット① 「高くなってしまうことも」
電力小売自由化は良いことばかりではありません。
今まで電力の価格決定は、政府の認可が必要とありましたが、その恩恵もあります。
価格を安定させて、高騰も防いでくれていたからです。
さきほどのメリットとは矛盾しているかもしれませんが、電力小売自由化は、価格に関してはコインの裏表のようにメリット・デメリットの両面があるということです。
先行して1990年代後半に電力小売自由化を行ったイギリス、ドイツともに電力料金は結果的には上がってしまいました。
原因は、主に原油価格の上昇と、再生エネルギーの買い取り費用の増大でした。アメリカでも電力小売自由化が1996年に始まり、2000年にカリフォルニア州で、夏場の猛暑、天然ガスの高騰により料金原価は高騰。
しかし、電気卸売会社は規制があったため高騰した卸売価格を顧客に転嫁できなくなりました。
続いて、売り上げを回収ができないことを恐れた発電会社は、電気卸売会社に電力を売り渋った結果、大規模な停電が起こってしまいました。
「カリフォルニア電力危機」ご存知の方もいらっしゃいますよね?
日本でも同様の原因でせっかく電力小売自由化が運用開始しても、前出のアメリカ、イギリス、ドイツのような例の二の舞になることもあり得ます。
今現在(2016年1月)、原油価格は、底なし下落状態なので、その点の心配はありませんが、電力小売自由化が運用開始後に天候が原因だったり、または、短期的に過剰な需要が1社や1つのサービスに集中して需要と供給のバランスが崩れたりしてしまったら、結果として「高く」なる可能性もあります。
必ずしも電力小売自由化により、競争が働けば安くなるとは限りません。
一寸先は闇ですし、未来のことなんて誰もわからないのですから。
デメリット② 「いちいち調べなくてはならないので、面倒くさい」
今までは、価格もプランも選ぶことはできなかったので、メリットとしては、いちいち調べずとも契約してしまえば良かったので、ある意味、楽でした。
しかし、電力小売自由化になれば、そうはいきません。
各電力会社のサービスを知り比べる必要が出てきます。グーグル検索で「電力小売自由化」と検索すると、今現在でもすでに1ページ目に価格を比較するサイトが見つかりました。保険商品と同じく、自分で調べ、販売担当者から説明を聞き、比較し、どの電力会社にするかを決める、という面倒な作業からは逃れることはできないようです。そういうのが好きな方には、うってつけですが。
第3章 どんな会社がおすすめか?
前章では、テーマである「電力小売り自由化のメリット・デメリット」についてお伝えしてまいりました。しかし、それでは、情報として不十分だと思います。そこで、どんな会社がどれだけ参入していて、どこがおすすめなのかについて、お伝えして、終わろうと思います。
まず、参入する業者数は、119社(2015年12月28日現在)です。かなりの業者の数です。これじゃぁ、どこにすれば良いか、わからないと思います。
そこで、お勧めの電力業者ランキングを発表します!
1位 エネット
特長
①「第1章 電力自由化の歴史」であった事業所向けの特別高圧、高圧電力市場での実績あり。
全国的エリアでサービスを展開しおてり、2013年度には、46.8%と、シェアは業界トップ。
②顧客の使用量、電気料金に合わせた“単に安いだけではない”節約プラン、コスト管理サービスを提供。
③供給エネルギーの75%が地球環境に優しい天然ガスや再生エネルギーで占められている。
2位 丸紅 Marubeni
特長
①火力発電子会社を設立し、シェアを拡大している。
②メガソーラー、洋上風力発電、など、地球環境に配慮した再生可能エネルギー事業にも重点的に展開している。
③大規模投資により、発電量を現在の10倍にあたる60万KWにまで増やす予定
3位 伊藤忠エネックス
特長
①2011年に工場向けの電熱供給を行っているJENホールディングスをグループ企業に迎え微粉炭、天然ガス、風力等、様々な電源を構成している。
②今現在では、技術革新により、クリーンエネルギーと言われている石炭火力発電、風力、水力、再生エネルギー等、地球環境に優しいエネルギーを供給。
以上が、ベスト3でした。
それと、東京電力、中部電力、関西電力も規模の大きさランキングでは、上位になりました。
なんだかんだ言っても餅は餅屋ですね。
まとめると
第1章 電力自由化の歴史
→どのような流れで電力小売自由化が始まり、今に至ったのか
第2章 電力小売自由化のメリット・デメリット
→電力小売自由化は良いことばかりではなく、先んじて始めた欧米の国々では、様々な問題が起こった
第3章 どんな会社がおすすめか?
→電力小売り自由化によって具体的にどのくらいの参入業者がいて、どこがお勧めなのか、ということをお伝えしました。
電力小売自由化まであと3ヶ月。
本当にお金を払う価値のある電力会社やサービスについてそろそろ考えておくのも良いかもしれませんね。
ということで、今回は「電力小売り自由化のメリット・デメリット」でした。