
ワンズ・ベストの川田です。
今回は長期固定金利住宅ローン「フラット35」のメリット・デメリットは?についてです。
フラット35とは
まず、フラット35とはどういったローンなのでしょうか。
もともとは住宅金融公庫の一般住宅融資でしたが、公庫が廃止され、住宅金融公庫が証券化により金融市場で調達した長期資金を民間金融機関に供給することで、住宅購入者へ長期固定金利で住宅投資資金を提供する形態の住宅ローンとして誕生しました。
2003年、まだ住宅金融公庫の時に「証券化支援による新型住宅ローン」としてスタートし、2004年12月に現在の「フラット35」の名称となりました。
資金のお受取り時に返済終了までのお借入金利、ご返済額が確定する住宅ローンですので、長期にわたるライフプランを立てやすくなります。
フラット35の金利
金利については、借入機関によって変わります。
平成29年5月の金利は、売買価格の9割以下の場合で、
・借入機関15〜20年で 0.98%
・借入機関21〜35年で 1.06%
となっております。
これがフラット35S対応になりますと、(売買価格の9割以下)
・借入機関15〜20年の当初10年が 0.68%(11年目以降 0.98%)
・借入機関15〜20年の当初10年が 0.76%(11年目以降 1.06%)
となります。
金利の推移としては、(借入機関15年〜20年の場合)
・2011年8月の 2.05% から翌月の9月には 1%台(1.95%)に突入し、
・2016年4月の 1.02% から翌月の5月には 0.96% と 1% を割り込んできました。
ここ近年の最低金利は、2016年8月の0.83%でしたが、2016年12月にトランプ大統領が勝利したことで、米長期金利がV字回復しましたね。
フラット35の金利も0.1%も上昇しました。
また、トランプ氏の発言で金利もドル・円も上下しますので、トランプ大統領の言動・動向には注意が必要ですね。
私の知り合いで、FXトレードをやってる方が、トランプ大統領の発言の後にたまたまトイレに入り、戻ってきて画面を見てみると、、、なんとに急激に円が上がり、資産が一気に目減りして真っ青になったそうです。
彼は、「トランプに殺されかけた・・・」と言っていました(笑)
今現在、2017年5月は今年に入って最低金利の0.98%となりました。
フラット35の金利予想
フラット35に限らず、今後の金利予想としては、著名な方々のご意見とすると、大方の予想がまだ横ばいで推移し、年末から来年、再来年にかけては少し上がる方向ではないか・・・といった感じのようです。
日銀がマイナス金利を発表したのが2016年の1月29日。
この時のフラット35の金利(借入機関15年〜20年の場合)は 1.27% で、2月が 1.21%、3月が 1.02%、4月が前月と同じ 1.02%、5月はついに 1% を切り・・・といった感じで、どんどん下がってきました。
しかし、先ほども記載しましたが、トランプ大統領勝利で2016年12月に 1% 台に戻しました。
そして現在はまた 1% を切ってます。
おそらくしばらくは1%前後で推移するのでは?と感じております。
2017年の住宅着工も滑り出しが順調のようですので、やはり東京オリンピックまでは伸びていくような感じを受けます。
フラット35の金利は、2011年9月に2%を切り、どんどん下がり続け、2016年8月の最低金利 0.83% を底と考えると、2017年5月の 0.98% は、これから住宅購入を検討される方にとってはいい時期だと思います。
ただ、あくまでも実行金利になりますので、今月中に決済できた場合に適用になります。
フラット35の審査
【お申し込みいただける方】
・お申込時の年齢が満70歳未満の方(親子リレー返済を利用される場合は、満70歳以上も可)
・日本国籍の方、永住許可を受けている方または特別永住者の方
・年収に占めるすべてのお借入れ(【フラット35】を含みます。)の年間合計返済額の割合(=総返済負担率)が、次の基準を満たしている方(収入を合算できる場合もあります。)
☆年収400万円未満 → 返済負担率 30%以下
☆年収400万円以上 → 返済負担率 35%以下
この辺りはパンフレット等をご確認頂ければ分かりますので、金融機関(フラット35取り扱い窓口)による違いを記載します。
審査は民間金融機関の規定があり、住宅金融支援機構に行く前に審査が落ちることがあります。
また、審査の時間も大きく変わります。
審査の流れとしましては、事前審査を行い、本申込を行うというのが一般的ですが、最初から本申込をしてしまうケースもあります。
事前審査はあくまでの簡易的なもので、事前申込用紙に必要事項を記入し、個人情報の同意書に署名・捺印したものをファックスすると、早くて当日、遅くても翌日までに回答が来る金融機関もあります。
その時の必要書類で、年収が分かるもの、本人確認書類等を要求される場合もありますが、上記の書類だけで行ってくれるところもあります。
また、事前審査だけで1ヶ月かかるといった金融機関もありました。
審査するにあたり、どこの金融機関に持ち込むかはとても重要です。
金利も金融機関ごとに違いますので、下記のページを参照し、金利の安いところを選ばれた方がいいでしょう。
フラット35 各金融機関の金利一覧
上記URLで、「各金融機関の金利情報を検索」のところまでスクロールしていただき、ご自身のお住いの都道府県を選択して検索ボタンを押せば、フラット35を取り扱う金融期間の一覧が出て来ます。
その中で、「借入金額」の中の「引き下げ前」の欄をご確認いただれば、どの金融機関が何%の金利で貸し出ししているかが一目瞭然です。
ただし、金利が安い場合は融資手数料のパーセーンテージが大きいので、最初に持ち出すお金は多くなりますが、総支払額では一番お得になっております。
融資枠につきましては、以前の住宅金融公庫の一般住宅融資では8割だった融資枠が拡大し、機構買取型では建設費・購入価格の90%まで、機構保証型では最大100%までは融資が可能となりましたが、100%の融資審査はかなり厳しくなるようです。
最低金利を選択しても、融資手数料を安く済ませるパターンとして、借入額の内、取扱銀行の住宅ローンとセットにすると事務手数料がかからないといった金融機関もあります。
また、何らかの条件を満たせば融資手数料が安くなる場合がありますので、その辺りも確認されるといいと思います。
同じ表の、「融資手数料(消費税込)」の中の「手数料引き下げ後」の欄をご確認ください。
ただし、取扱銀行の規定に収まらないと難しくなります。
フラット35の審査基準には治っていても、取扱銀行の基準に収まっていない等のケースが多々あります。
まず、ご自身でフラット35の取扱金融機関を調べてから不動産会社に相談することをお勧めします。
フラット35への借り換え
高い金利で借りていた住宅ローンをフラット35に借り換えるといったイメージをされると思いますが、数年前に今より高い金利でフラット35で借り入れたものを今の金利のフラット35に借り換えることも可能です。
現在の金利と今の金利を比較して、計算してみるのもいいでしょう。
こちらのページで計算ができます。
借り換えシミュレーション
借り換え時にかかる費用がありますが、それを差し引いても金利が違えば大きなメリットがあります。
ただし、収入面・健康面等で借入する方の状況に変化があった場合、借り換えできない可能性もあります。
フラット35のメリット・デメリット
最後に、フラット35のメリット・デメリットについて記載します。
【メリット】
・やはり1番のメリットは、長期固定で借入金利、返済額が確定する住宅ローンなので、長期にわたるライフプランを立てやすいことでしょう。
・次に技術基準で質の高い住宅に対しては金利引き下げが適用されますが、実際のところ、今新築で建てられている住宅などは、最初からフラットの基準以上を盛り込んで建築されている建物も多く見受けられます。
・保証料がない。
・繰上げ返済手数料がかからない。
・融資が通りやすい。(ただし、最近では徐々に民間銀行の審査基準に近づいているようです。)
・勤続年数が短くても借りられる。
・一般的に、銀行の住宅ローンよりも多く借りることができる。
【デメリット】
・長期固定されることにより、金利が下がった場合でも借り換えしない限り当初の金額で払い続けなければならない。
メリットでもありますがその時の金利情勢によってはデメリットと感じることもあるかもしれません。
・保証料がない代わりに融資手数料がかかる。
・一般の銀行の変動金利よりも金利が高い。
・借入時のデメリットとして、適合証明が取得できないと借入できない。
・もうひとつ、借入時のデメリットとして、諸費用を含めた融資が組めない。
その代わり、別途諸費用ローンが用意されているが、フラット35の金利より2〜3倍ほど高くなります。)
・適合証明取得に費用がかかる。
・返済時のデメリットとして、繰上げ返済の際、支払える額がネット銀行では10万円以上、金融機関窓口では100万円以上でないと受け付けてもらえない。一般の銀行は1万円から繰上げ返済が可能。フラット35は繰上げ返済の際の返済額が高額になるため、繰上げ返済のハードルが高くなる。
・借り換え時のデメリットとしては、住宅金融支援機構の基準を満たす建物でないと融資不可。例として、床面積は、戸建て70m²以上・マンション30m²以上という基準があるため、これ以下の面積の建物には融資が受けられない。
と、一長一短ありますが、現在の金利水準で行けば、デメリットよりもメリットの方が多いような気がします。
メリットに記載した内容であっても、別の見方をすればデメリットになる場合もあります。
また、デメリットの記載内容であっても、考え方によってはメリットに捉えることもできます。
例えば、繰上げ返済は窓口では100万円以上でないと返済できませんが、その金額を計画的に貯めて返済していけば、元本が一気に減りますし、将来的な見通しも明るくなるでしょう。
デメリット部分をよく確認し、メリットに捉え、計画的に返済して、メリットの多い人生にしましょう!
ということで、長期固定金利住宅ローン「フラット35」のメリット・デメリットは?についてでした。