不動産取得税とは?軽減手続きについて

不動産取得税とは?軽減手続きについて

ワンズ・ベストの川田です。

今日は、「不動産取得税とは?軽減手続きについて」です。
その前に、不動産を取得したらどんな税金がかかるのでしょうか?
まず、不動産を購入する場合は、当然、不動産売買契約書を取り交わします。
契約書の前に該当する不動産の重要事項説明書という書類を宅建取引士が説明し、内容を理解していただいた上で契約書を取り交わします。
この時に、契約書に売買金額に応じた印紙を貼ります。
この印紙は印紙税といい、「国税」になります。
次に、不動産の残金を支払い、所有権を移転する際、自分の権利を明らかにするための登記をしますが、この時にかかるのが登録免許税といい、こちらも「国税」になります。
そして、その不動産を取得した後にかかる税金が今日のテーマの「不動産取得税」、こちらは「地方税」になります。




不動産取得税とは、土地や住宅などの不動産の所有権を取得した時、その不動産の所在する都道府県が課する税金が、不動産取得税といいます。
ちょっとここで、不動産の「取得」について触れておきますが、この「取得」というのは、不動産を現実に所有権を取得することで、先ほど記載しました登録免許税が発生する登記が行われたか否かは関係がありません。
(といっても、不動産を購入して登記をしない・・・という方はほとんどいないと思われますが・・・)
また、その取得の原因が売買・交換・贈与・建築等のいずれであっても課税されます。
ただし、相続で取得した場合、不動産取得税は課税されませんが、資産の額によっては相続税がかかる可能性があります。

次に、不動産取得税の計算式ですが・・・

【不動産の価格(固定資産税評価額)× 税率 = 税額】
ただし、上記は通常の計算式で、平成30年3月31日までに不動産を購入した場合は、固体資産税評価額の2分の1の額に税率をかける特別措置が取られています。

【(不動産の価格(固定資産税評価額)×1/2)× 税率 = 税率】
となります。
尚、宅地評価土地には、地目が宅地の他、市街化区域の農地や宅地介在山林などが含まれます。

固定資産税評価額は、固定資産税評価証明書を取得すれば確認できます。
登記で使用する場合は、「評価通知書」というものがありますので、ご自分で計算したい方はこちらを取得することをお勧めします。
「評価証明書」は一通300円程度(地方によって異なる)かかりますが、「評価通知書」は無料で、内容は同じです。

話を戻して、「不動産の価格」は、評価証明書に記載された価格をいいます。
税率は、本則は⒋%ですが、次のように軽減されます。

住宅関係 ・・・ 土地 3% 平成30年3月31日まで
     ・・・ 建物 3% 平成30年3月31日まで
住宅以外 ・・・ 土地 3% 平成30年3月31日まで
(店舗、事務所等)建物 4% 軽減なし

住宅や住宅用地については、別途、下記のような軽減措置が講じられています。

【新築住宅】
床面積:50㎡(戸建以外の貸家住宅においては40㎡)以上〜240㎡以下
軽減額:1,200万円(評価額が1,200万円までなら課税されず、1,200万円を超える場合は、その超える部分が課税対象となります。)
※ 平成21年6月4日から平成28年3月31日までの間に取得された新築の認定長期優良住宅について、認定を受けて建てられたことを証明する書類を添付して都道府県に申告した場合には、1,300万円控除されます。

【中古住宅】
床面積:50㎡以上〜240㎡以下
筑後経過年数等:下記のうち、1つに該当するもの
(1) 昭和57年1月1日以降に新築された住宅であること。
(2) 筑後年数に関わらず、新耐震基準に適合することが証明されたもの又は、既存住宅売買瑕疵担保責任保険に加入しているもの(その家屋の取得の日前2年以内に契約の締結をしたものに限る)
軽減額:新築された日によって異なります。
(1) 昭和50年12月31日以前・・・新築当時の軽減額
(2) 昭和51年1月1日〜昭和56年6月30日まで・・・350万円
(3) 昭和56年7月1日〜昭和60年6月30日まで・・・420万円
(4) 昭和60年7月1日〜平成元年3月31日まで・・・450万円
(5) 平成元年4月1日〜平成9年3月31日まで・・・1,000万円
(6) 平成9年4月1日以降・・・1,200万円
(注)控除額は、都道府県によって異なる場合があります。

※新築・中古住宅の軽減額の控除方法
<課税標準から控除>
(住宅の評価額 – 控除額)× 3/100 = 税額

上記の該当する金額




【住宅用土地】※1
面 積:新築住宅及び中古住宅の敷地については、上記新築・中古住宅の要件を満たす敷地であること。
軽減額:下記のいずれか多い方の金額
(1) 45,000円(150万円×3%)
(2) 土地の評価額 × 1/2 × 住宅の床面積の2倍(200㎡が限度)× 3/100

※住宅用土地の軽減額の控除方法
<課税標準から控除>
(土地の評価額 × 1/2 × 3/100)(評価額)- 住宅用土地軽減額 = 税額

(注)中古住宅については、上記の他に、「自己の居住のように供するものであること」の要件が必要です。
※個人が耐震基準不適合の中古住宅を取得後、6ヶ月以内に耐震改修工事を行い、自ら居住する場合には軽減の適用を受けることができます。

尚、住宅用地の軽減措置については、上記の要件(上記記載【新築住宅】【中古住宅】【住宅用土地】)を満たしている他に、次のケースに限定されます。

【新築住宅の土地】
(1) 土地取得した日から3年以内に、その土地に住宅が新築された場合(住宅を新築するのは、土地取得本人に限らず、土地取得者からこの土地を取得したものでお構わない。)
(2) 新築でまだ人の居住の用に供されてことのない住宅とその敷地をその住宅の新築後1年以内に取得した場合
(3) 住宅の新築後1年以内にその住宅の敷地となっている土地を取得する場合

【中古住宅の土地】
(1) 土地を取得した日から1年以内に、その土地の上にある自己の居住用の中古住宅(上記【新築住宅の土地】(2)の新築住宅でその新築後1年を超えているものを含む。)を取得した場合
(2) 自己の居住用の中古住宅(上記【新築住宅の土地】(2)の新築住宅でその新築後1年を超えているものを含む。)の取得後1年以内にその中古住宅の敷地と成っている土地を取得していた場合
また、住宅に係る軽減措置は、田園型、郊外型住宅などのニ戸目の住宅にも適用されますが、避暑・避寒用といった典型的な別荘用の住宅には適用されません。

不動産取得税の軽減措置を受けるためには、その住宅取得の日(土地取得日)から概ね60日以内に、都道府県税事務所に特例を受ける旨の申告をしなければならないようですが、実際の所、一般的に新築住宅の場合は既に軽減された納税通知書が届くので、不動産取得税の納税通書が届いた場合はそのままの金額を納付すればいいようです。
また、全額控除になる場合(不動産取得税がかからない場合)、納税通知書は送られてきません。
※ただし、中古、土地の場合は控除されずに送られてきますので、下記の「中古住宅を取得した場合の軽減手続き」「土地を取得した場合の軽減手続き絵」をご確認ください。

では、新築・中古・土地の順に納税の流れを記載ます。
1.新築住宅を取得した場合の軽減手続き
一般住宅の場合は、建物の控除額が1,200万円ありますので、建物の評価がそれ以上の場合のみ建物の不動産取得税が発生します。
また、土地の不動産取得税についての計算式は、上記【住宅用土地】※1をご参照ください。
新築については、不動産取得税の納付通知書が届いた場合は、既に控除された額で計算された納税通知書が届きますので、その額をそのまま支払えばOKです。
したがって、この後の軽減手続きは通常ありません。
また、不動産取得税がかからない場合(全額控除される場合)は納税通知書自体届きません。
※ご不明な点があれば、管轄の都道府県税事務所にお問い合わせください。

2.中古住宅を取得した場合の軽減手続き
平成27年7月1日〜12月末までに中古住宅を取得した場合は、平成28年9月1日付で不動産取得税の納税通知書が発送されます。
平成28年1月1日(実際には法務局が受付した日なので、4日以降)〜6月末までに中古住宅を取得した場合は、平成28年11月1日付で不動産取得税の納税通知書が発送されます。
この場合、納税通知書が届いたら、支払期限が来る前に都道府県税事務所に出向き、控除が受けれらるかどうかをご確認ください。

※この時に持参するもの
・建物の登記簿謄本(全部事項証明書)
・認印(シャチハタ以外)
の上記2点をお持ちください。

※納税通知書が来たので既に支払ってしまったという方は
・建物の登記簿謄本(全部事項証明書)
・認印(シャチハタ以外)
・通帳(還付金があった場合の振込先
の上記3点をお持ちください。

3.土地のみを取得した場合の軽減手続き
土地の場合も中古住宅の場合と同じく
平成27年7月1日〜12月末までに中古住宅を取得した場合は、平成28年9月1日付で不動産取得税の納税通知書が発送されます。
平成28年1月1日(実際には法務局が受付した日なので、4日以降)〜6月末までに中古住宅を取得した場合は、平成28年11月1日付で不動産取得税の納税通知書が発送されます。

ただし、土地のみを購入した場合は建物が建築されないと不動産取得税の軽減措置は受けられません。
その土地の上に3年以内に対象建物(50㎡以上〜240㎡以下の一般住宅または40㎡以上〜240㎡以下の貸家住宅)が建築された場合に不動産取得税の軽減が受けられます。
ですので、納税通知書が届いたら、まず期日内に不動産取得税を納付してください。
建物が完成したら、登記簿謄本(全部事項証明書)を取得し、都道府県税事務所に出向き、控除額をご相談ください。

※この時に持参するもの
・建物の登記簿謄本(全部事項証明書)
・認印(シャチハタ以外)
・通帳(還付金があった場合の振込先)
の上記3点をお持ちください。

※念のため、持参するものに関しましては、管轄の都道府県税事務所にお問い合わせください。




まとめますと
・新築住宅を取得した場合・・・控除後の不動産取得税納税通知書が届いたら支払えばOK、届かなければ不動産取得税はかからない。
・中古住宅を取得した場合・・・不動産取得税納税通知書が届いたら、必要なものを持参し、都道府県税事務所へ行くこと。
・土地を取得した場合・・・不動産取得税納税通知書が届いたら、期日内に支払っておくこと。
建物が完成したら必要なものを持参し、都道府県税事務所へ行くこと。

最近では、下記の事例がありましたのでご紹介します。
《事例》
Aさんが建築する予定で土地を購入しましたが、諸事情により家を建てなくなりました。
土地を購入してから2年少し過ぎた時点で、土地をBさんに売却し、Bさんが家を建てました。
Bさんの家が完成し、登記がなされたのが、Aさんが土地を購入してから2年10ヶ月後でした。
Bさんが建築した建物の謄本をAさんが法務局で取得し、都道府県税事務所に持参したところ、すでに収めた不動産取得税が7割ほど戻ってきました。

上記の例は、土地購入後3年以内に家を建てると不動産取得税の還付が受けられる!という事例に該当しましたが、自分の家を建てたわけではないので、土地を売却してしまうと、そのまま忘れてしまいがちです。
もし、購入後3年以内に売却して、そこに家が建っていたら、不動産取得税が戻って来る可能性がありますので、管轄の都道府県税事務所に確認してみてください。

ということで、「不動産取得税とは?軽減手続きについて」でした。

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